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-財務が苦手と言い続けている全てのビジネスパーソンへ-


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数字は愛情

2026.3.9

現場のことは一番知っている。上司のことは尊敬している。大切な部下もいる。
責任についても理解している。

けれど、経営計画や事業計画の数字の話になると、少しだけ身体が固くなるあなたへ。
「だいたいわかっている」「感覚では間違っていないはず」
そう思いながらも、どこかで自信が持てないあなたに向けて想いを綴ります。

財務は、無機質なものではない。
財務は、あなたの人生を豊かにする“愛情”だ。

1.財務は愛情
2.数字は価値観
3.数字は夢を現実にする

1. 財務は愛情
財務は嫌われ者である。
無機質そうだし、難しそうだし、なんなら「数字が好き」ってだけで嫌われ者になりそうだし。財務研修も面白くなかったし。なるべく目の前に現れないでほしいと、敬遠されがちだ。
「数字の知識がないビジネスパーソンはダメだ!」とまでいう気は全くないけど、いい人や前向きな人ほど、どうにか財務の知識を持ってほしいと、僕は願っている。
数字の知識があったほうがいい人でいられるし、前向きでいられるから。
例えば、社内で稟議をあげたり上申するときに、判断のポイントとして重要なものの一つに必ず数字の話が出てくる。
もし、数字の話も何もなく稟議が上がってきたら、あなたが決裁者だったらどうする?
必要な数字を自ら明らかにして、数字面の検証をしてから意思決定をするはずだ。
もしそれを全部、部下が検証してくれてエビデンスも添付してくれていたらどうか。
数字の検証を終えた上であがってくる稟議には、部下からの愛情を感じられるし、応援したい、承認したい書類に激変するはずだ。
自らの仕事を軽減してくれているし、何より同じ目線に立ってくれているという仲間としての感覚も芽生える。
部下の目線からしたら、「これを実現したい」と願って稟議をあげるときに、数字の知識を盛り込むことで、決裁される可能性がぐんと高まる。
稟議に数字を入れる習慣が会社にあるだけで、「やりたいことが実現できる会社」になれるかもしれない。
多くの会社で「裁量が与えられない会社」はイコール「堅い会社、慎重な会社、チャレンジできない会社」などと揶揄されるが、実はその根本には財務との向き合い方があったりする。
財務の知識を持っている社員に対して、会社は愛情を返してくれたりする。

また、部下を大切にしたいと願っているあなたへ。
部下を大切にする、ということは具体的に何をすることなのだろうか。
部下と会話量を増やす。顔を合わせる機会を増やす。傾聴して心の声に耳を傾ける。
全てとっても大事だけど、それによって部下がどのような状態になったら、「大切にした」と言えるのだろうか。
唯一の回答はないけど、回答の一つとして、あなたの働きかけによって「部下の評価が上がる」「部下が活躍する」といった話がある。
そこまでやり切ろうと本気で思うと、「何をすれば評価が上がるのか」「何をすれば周囲から活躍していると認められるのか」を考えるはずだ。
そこで必要になってくるのも、財務だ。
部下がどの経営目標に対してどんなインパクトをもたらせば、評価されるのか。
数字の根拠をもって部下を育てている人は、育成に対してコミットする。
数字の根拠なく部下に時間を使い続ける人は、もっとその愛情を活かせるやり方を見つけてほしい。部下の人生をもっと大切にしてあげてほしい。


2. 数字は価値観
数字には面白いことがある。
同じ数字を見ても、
ある人は「良い」と言い、
別の人は「悪い」と言う。
営業利益率5%。
ある人は「低すぎる」と言う。
ある人は「安定している」と言う。
なぜか。
業界平均や競合との比較?過去実績との比較?目標との差異?
「財務はただのデータだ」という人が稀にいるが、それは誤りだと思う。
例えば本事例は「5%」という事実は皆にとって同じで、それを財務のスペシャリスト10人が見たら、みな同じ意見に集約されるだろうか。
そのスペシャリストたちは、「未来の展望」「外部環境の変化・推移」「サービスのポテンシャル」「経営者の評価」などは全く同じ評価をしているだろうか。
おそらく多くの場合、バラバラな意見が出てくるはずだ。
ある会社では「GO」だが、ある会社では「STOP」となる事案も当然ある。
これが財務の面白いところで、つまるところ、数字を深ぼっていくと最終的に価値観とぶつかる。
だからこそ、数字を見ることは、自分の価値観と向き合うことでもある。
あなたは何を大切にしたいのか。
数字は、その問いを突きつけてくる。


3. 数字は夢を現実にする
私は「すべてを数字で決めろ」とは言わない。
世の中には、数字では測れないものがある。定量化しづらいものがたくさんある。
けど我々は幸か不幸か、資本主義が色濃い世界の中で生きていて、多くの人が「給料をあげたい」「年収を○○万円にしたい」といった目標から完全に分離されている人はそう多くないと思う。
それを実現するためには「いま、ここ」の自分は何をすべきなのか。
時代のせい、制度のせい、上長のせいと嘆きぼやいている人ほど、数字に目を背けている人が多い気がしている。
起業家の例だとわかりやすい。「このサービスで社会をもっと良くして、関わる人を幸せにしたい」と掲げている人がいたとする。「社会がもっと良くなっている状態」とは一体そのサービスがどれだけの人数に利用されている状態なのか。「関わる人を幸せにしたい」とは、幸せになっている状態とはいったいどのような状態なのか。どんな表情で、どんな発言をしている状態を想像しているのか。その人たちは経済的にどれくらい豊かなのか。
ここをはっきりさせない起業家は周囲から共感を得ることが難しい。応援されづらい。
起業のリスクを背負ってでも挑戦したかったその世界で、それはあまりに孤独だろう。
お金儲けをしたほうが良いと言っているつもりは一切ない。
「すでに今の生活に満足している」という人や組織に対しても同じだ。
あなたが受けている経済価値を今後も継続して受け続けるためには、どれだけの売上をあげて、どれだけの利益を得なければならないのか。
どれだけ「今でよい」と言っていても、財務を学ばない理由にはならない。
どんな小さな夢や目標をかなえるためにも、数字は必要だ。
数字は、僕らのぼんやりとした夢や目標を現実にしてくれる。

数字は、愛情だ。
会社への愛情。チームへの愛情。そして、自分の人生への愛情。
次に意思決定をするとき、まずこう問いかけてほしい。
「数字はどうなのか?」

あなたの人生が少しでも豊かになりますように。