JOURNAL

『Lifeisajourney』/Daijiroinaba (Webマガジン『Container』byMo-green過去掲載分)

『Life
is
a
journey』/
Daijiro
inaba (Webマガジン『Container』
by
Mo-green
過去掲載分)

愛した酒場

2025.4.30

Webマガジン『Container』 by Mo-green 廃刊に伴い、掲載先変更したもの

愛した酒場
Trip / 2022.12.30

今日は、2020年から続けてきたオンラインサロン「大二郎酒場(通称:酒場)」について、歩んできた軌跡を綴りたいと思う。誇れる仲間との出逢いの記録であり、僕なりのラブレターだ。

=============
1.『118』
2.結束
3.証(教育DAO)
4.愛した酒場
=============


1.『118』
この数字は、大二郎酒場が開店した日数だ。
恥ずかしげもなく自分自身の名前を冠して大二郎酒場というコミュニティを立ち上げた。「○○サロン」とか堅苦しい名前にはしたくなかったから、酒場ってゆう響きがすごくしっくりきていた。
コロナ禍で最初の緊急事態宣言が出た2020年5月8日に立ち上がり、参加者は学校教員、大学教授、企業人事、部下育成に関心のあるビジネスパーソン、教育や育成に関心の強い経営者や有名人、学生も遊びに来てくれていた。
このコミュニティは、自分らしく生きていたり、自分らしく生きることの喜びを感じられる仲間がたくさんいた。

人前で偉そうに話せることなんて僕は何もないんだけど、そんな場を面白がってくれる人たちがいた。ただ集まってその人たちが関心のあることを話すだけでも盛り上がるんだけど、マンネリしないようにと、いくつか企画をしていた。振り返ると、39の企画を行っていた。著名な方にお声がけしたり、まだ知られていない素敵な人にお声がけしたり、メンバー内で企画をしたりと、語りつくせないほどの思い出が詰まっている。
企画することを100%楽しんでいたかというと、、、、きっと楽しんでいたとは思うけど、必死な部分もあったと思う。
 
参加してくれた人が、また行きたいと思える場ってどうやったらできるんだろう、、、
僕は有名人でも何でもないし、特別面白い話ができるわけでもないし、そもそも僕に集まるコミュニティでありたいとは全く思っていないし、、、
この場をどのように育てていったらみんなにとって居心地がいいんだろう、、、
仲間に飽きられちゃったらどうしよう、、、
この場を愛そうとしてくれない人が入ってきちゃったらどうしよう、、、

ピュアに楽しむ以外のことを、色々、考えてた。でもある日から、苦ではなくなった。ひとりじゃなかったから。メンバーも同じようにこの酒場のことを考えてくれていたから。
だから、いつもドキドキしながら企画するけど、結局幸せな気持ちでその企画は終わる。
毎週末が本当に楽しくて、深夜まで話し込むことも多々あった。

このころは、出逢いの連続だった。このコミュニティを見つけて遊びに来てくれる人もいたし、当時関わっていた素敵な人はみんなこのコミュニティに招待して楽しんでもらった。尊敬する大先輩にも勇気を出して声をかけた。メンバーも、この輪にたくさん素敵な仲間を連れてきてくれた。僕らはみんな、素敵なメンバーが遊びに来てくれることを心から喜んでいた。すごく幸せだった。
フランスとドイツにいる家族や、インドやアメリカにいる友人も来てくれていた。
たっぷりと叱られて、当時は顔を見るのも緊張していた元上司も入ってくれた。
学生もたくさん遊びに来た。
この活動をし続けられたら、人生何があっても幸せって思えてた。

ある日、僕は勤めていたベンチャー企業を解雇になった。解雇については過去の記事でたくさん書いたので多くはふれないが、解雇のことを酒場のメンバーに伝えるか、すごくためらっていた。
「とがった教育系ベンチャーで働いているDaijiroでしたが、解雇になりまして、プータローになりました。」
なんて言ったら、
「やばいやつだったんだ」「きっと何か悪いことをした人なんだ」「信じちゃいけない人なんだ」とか、たくさんの非難の声を想像したし、何よりせっかく出会えた仲間たちがみんな離れていくんじゃないかと思って、怖くてしょうがなかった。

けど、大切な仲間と仮面をかぶって付き合っていくほうがよっぽど恐ろしかったし、みんなに失礼だと心から思ったから、勇気を出して、打ち明けた。

酒場の仲間は、
「言ってくれてありがとう!」
「新しい人生におめでとう!」
「旅すべき人に、旅をする機会が訪れたね」

その日はずっと泣いてた。
酒場のおかげで、僕は自分自身を晒せるようになった。
 
今思えば、自分自身を見誤ってたし、このコミュニティのこともちゃんと向き合えてなかった。このコミュニティを大切にしてくれてる人がこんなにいるのに、なにをビビってたんだろう。タレントに集まるコミュニティなんて一切目指していないのに、何をタレント面していたんだろう。

大好きな本に出てくる青木美智子さんは言っていた。
「損得の壁・孤独の壁・アイデンティティの壁…言い換えると、『損してもいい、嫌われてもいい、無価値でいい』、それが壁を乗り越えるコツという感じですね」

本当に酒場の仲間に救われた。僕には居場所があるんだって心から思えた。働きに行く会社はないし、コロナで飲みにも出られなかったけど、毎週会うことを楽しみにしている仲間がいる。いつだって僕は仲間がいることが原動力なんだ。
 
大二郎酒場は一度閉店し、NEO大二郎酒場として新たなスタートを切った。


2.結束
酒場で企画をやり続けていたけど、仕事が忙しくなってくると、毎回酒場で企画をすることが難しくなってきた。
そんなタイミングで、まずは「人を増やす」ということをやめた。今いるメンバーで十二分に幸せって思ってたし、刺激的だったから。
この頃から、仲間としての結束が強くなった。会話を重ねて、信頼関係ができてきた。お互いのパーソナルな部分をオープンにする機会も増えた。

酒場のメンバーで行う企画の話も出てきた。
尊敬する人事の人たち4人で僕の母校の学生インターンを30人受け入れたり、酒場メンバー複数名で都立高校に講義しに行くこともあった。持ち前の行動力を惜しまず現場で活かせる人たちが多くいた。そんなアクション全部がこのコミュニティの結束をさらに強くしていった。

ある吉祥寺を舞台にしたケンカ漫画の主人公は言ってた。
「力が信頼を生むんじゃねぇ。信頼が力を生むんだよ」

みんなのおかげで僕はきっと、強くなれた。


3.証(教育DAO)
近所にWEB3に明るい人がいて、お酒を飲みながら話を聞いていたら、想像以上に教育の世界との相性の良さと根幹の概念の美しさにポジティブな印象を受けて、僕自身はデジタル素人ながらその世界にのめりこんだ。書籍を読み漁って、その世界の人達のサロンに入って、学んだことを酒場に還元しようと躍起になっていた。

そして2022年8月22日。
Gaudiy社のスーパーエンジニアのサポートがあって、ついに、ついに、DAOができた。日本初の教育DAOかもしれない。(何番目でも別にいいけど)

まだまだ運用できていないけど、DSKというトークンをつくった。このDAOをつくったのは、紛れもなくこの酒場のメンバーみんなだ。
遂に、大二郎酒場メンバーの思いが詰まった資産ができた。
まだなんの価値もないけど、少なくともこの資産を作った酒場のメンバーはすごい人たちの集まりなんだ。
いつか世の中がこの価値を発見する。そんな時にこのトークンを誇りたい。

尊敬する経営者は問いかけた。
「自分を生きることの大変さと、自分を生きないことの大変さだったら、自分を生きることの大変さの方が良くない?」

このDAOは、僕らが自分らしく生きていく証として、みんなで大切に育てたい。


4.愛した酒場
この酒場は、2022年をもって閉店する。

酒場と共に過ごした2年半は挑戦だらけだった。いつだって酒場のみんなが耳を傾けてくれたから、挑戦することに恐れがなかった。どれだけ失敗しても、聞いてくれる仲間がいたから。

すごく大事に思ってきたし、すごくすごく大事にしてもらったコミュニティだから、すごくすごくすごく寂しい。

でも、このコミュニティの役目はきっと、果たされている。
だって僕らはもう深いとこでつながっている。何かにすがらずとも、一緒にいられる。
尊敬する経営者が言ってた。終わらせることも大事なんだって。


僕が求めていたことは、大切な人が「居場所と呼びたい場所」を作ることだったのかもしれない。
仲間たちでこのコミュニティを「酒場」と呼びあっている今、きっと、僕自身の願いも、果たされた。


大好きなシンガーは歌っていた
「ひとりひとつ還れる場所 変わらない声が 明日をまた歩く力と 愛を唄う」

僕らには、立ち戻れる場所ができた。大人になってからこんな居場所ができるだなんて、夢にも思っていなかった。僕にとっては、明日を歩く力だ。
これからはより自然に、波紋のように、お互いの胸に響きえる仲間でいたい。
僕は、酒場で出会えた仲間たちを愛して生きていくと、もうとっくに決めている。


【言葉をお借りした素敵な方々】
有冬典子さん
前田太尊さん
岩波直樹さん
武井浩三さん
KEYCOさん

メンバーに心からの愛と感謝をこめて。
Life is a journey!